しょうゆの見分け方

日本人には、しょうゆはなくてはならない調味料です。
しょうゆの起源は、諸説ありますが、縄文時代からあったと言われています。
調味料と使われるようになったのは、室町時代に生産・流通していたようです。
文献に残っているところから考えても、500年はしょうゆを使っていると言えますね。
ほぼ毎日食べている「しょうゆ」ですが、知らないことが多いのも、またしょうゆです。

 

しょうゆはどこで違いを見分けるの?

「しょうゆは同じ濃い口でも、本醸造や、混合などあります。どこを見て選んだらいいですか?」

「しょうゆは、製造方法で本醸造や混合などに分けられます。原材料名を見るとどうやって作っているかがわかりますよ。」

しょうゆのラベル表示

同じ「濃い口しょうゆ」ですが、食品表示ラベルと見ると違いがわかります。
特に「名称」と「原材料名」は、要チェックです!
濃い口しょうゆ(本醸造)
名称:濃い口しょうゆ(本醸造
原材料名:大豆(遺伝子組み換えでない)、小麦、食塩
濃口しょうゆ(混合)
名称:濃口しょうゆ(混合
原材料名:食塩、脱脂加工大豆(遺伝子組み換えでない)、小麦、アミノ酸液、糖類(ぶどう糖、砂糖)、アルコール/調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、甘味料(ステビア、甘草)、ビタミンB1

この2つは、しょうゆのラベルを書き出したものです。
まず、名前が本醸造と混合と違いますね。
そして、原材料名を見てみると、使われている物がかなり違います。
上の本醸造は、大豆と小麦、食塩しか使っていません。これは昔ながらの製法で作られたことがわかります。
一方混合の方は、色々なものが入っています。化学的に合理的に作られたしょうゆです。
では、その違いとは…

しょうゆの昔ながらの製法

蒸した丸大豆と炒った小麦でこうじを作り、塩水と混ぜて桶に入れてもろみをつくり、発酵、熟成させます。
こうじから生まれた酵素で、大豆や小麦のたんぱく質を旨み(アミノ酸)に変えます。また、でんぷんを甘み(ぶどう糖)に変えます。
これが醤油の複雑な旨みの素になります。
手間と時間をかけ、1年以上寝かせた醤油は、複雑な香りと旨みと甘みで味わい深いものになります。

科学的な製法

大豆などのたんぱく質を塩酸で分解して、アミノ酸液を作ります。大豆は、大豆の油を搾った後の搾りかすである脱脂加工大豆で使います。
このアミノ酸液に旨みや甘み香りを科学的に加えていきます。
上記の原材料名表示を見ると
調味料(アミノ酸等)と表示があります。これはグルタミン酸ナトリウムなどの化学調味料でうまみを出しています。
甘味料(ステビア、甘草)と表示があります。
ステビア、甘草の甘味料で味を調整します。
色を出すために、カラメル色素でしょうゆの色を出しています。
アルコールは、日持ちをよくするため、またカビの発生を抑える効果があります。
この製法なら、短期間で効率のよくしょうゆを製造することができます。

本物VSもどき

「昔ながらの製法の醤油は、大豆と小麦と塩だけなんですね。とてもシンプルですね。混合は、それ以外のものがたくさん入っているんですね。」
「本醸造は、職人の技と手間がかかっています。ただ、同じ本醸造でも、脱脂加工大豆を使ったものもあります。できれば、丸大豆と表示があるものをおススメします」

注)脱脂加工大豆は、簡単に言うと、製造過程でヘキサンという薬液に浸し油分を溶出させた後の大豆です。

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