2017年に、マクドナルドが発売したローストビーフが、実は成形肉だったというニュースが流れました。
そして、2019年5月に消費者庁が2,171万円の課徴金納付命令を出しました。
消費者庁は24日、日本マクドナルド(本社・東京都新宿区)に対し、景品表示法に基づき2171万円の課徴金納付命令を出し、発表した。同社が販売していた「東京ローストビーフバーガー」の宣伝が、一般消費者の誤認を招くような内容だった。
発表によると、日本マクドナルドは2017年8月、テレビコマーシャルで「しっとりリッチな東京ローストビーフバーガー」という音声とともに、ローストされた牛赤身のブロック肉をスライスする映像を放送。店内のポスターなどでも同様の表示をした。しかし、実際の商品で使っていたのは、ブロック肉を切断加工したものを加熱後に結着させ、形状を整えた成形肉だった。
消費者庁は、こうした表示が「ブロック肉を使っているかのように示していた」とし、「実際のものより著しく優良であると示すことで不当に顧客を誘引し、合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる」と判断。昨年7月、日本マクドナルドに対し、景品表示法違反で消費者への周知や再発防止策を講じるよう措置命令を出した。
不当な表示をした場合は、対象となる商品の売上額の最大3%分の課徴金を課すことができる。課徴金は、消費者に返金措置を実施した場合は減額されるが、日本マクドナルドは返金を実施しなかったとみられる。
景品表示法の課徴金制度は2016年4月に導入され、翌17年1月に燃費不正問題を起こした三菱自動車に対して初めて適用された。
日本マクドナルドは取材に対し「誤解を招く表現をしていたことをおわびする。より分かりやすい情報の提供に努める」としている。(久保田一道、荻原千明)
この記事で驚いたのは、肉に成形肉という種類があるということです。
成形肉とは
くず肉と言われる細かい肉や内臓の肉を軟化剤で柔らかくして結着剤で固め、形状を整えた食肉のことです。圧着肉や結着肉とも呼ばれています。
軟化剤や結着剤には、主に牛乳由来のカゼインナトリウム、カラギーナン、アルギル酸塩、アルカリ製剤などが使用されています。
景品表示法違反
今回、課徴金納付命令が出たのは、景品表示法により、成形肉をブロック肉のように示したということです。
景品表示法は、景品、表示と二つを指しています。
つい景品に関する法律だと思いがちですが、表示方法の法律でもあります。
マクドナルドのように、ブロック肉に思わせるような表示をした場合も、法令違反になります。
食品の表示も、国産でないものを国産と表記すると、違反として罰則を受けます。