培養肉を関西万博で提供を目指す

フードテックの一つ、培養肉を食する時代へと突入しつつあります。

2030年、培養肉一般流通へ

日本では、一般販売に向けて着々と進んでいるようです。

培養肉、万博で2400食提供目指す 阪大、島津製など

大阪大学や島津製作所、伊藤ハム米久ホールディングス(HD)、凸版印刷、シグマクシスの5者は29日、大阪府内と共同会見し、動物の細胞を培養して作る「培養肉」の社会実装に向け検討を進めるコンソーシアム(共同事業体)を同日付で立ち上げたと発表した。新たな研究拠点を同大吹田キャンパス内に設置。2025年大阪・関西万博で、さしの入った「和牛」の培養肉を自動的に作る装置を展示し、来場者への2400食分の試食提供を目指す。30(令和12)年には一般販売も始めたい考えだ。
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引用元:産経新聞2023/3/29

培養肉とは

実際に動物を育てなくても、肉を作り出す技術よって作られた肉のことを培養肉と言います。
培養肉は、動物の細胞を採取し、特殊な条件下で栄養を与えて増殖させ、肉として利用することができます。
一言で言うと、動物を殺さずに肉を生産することです。

3Dバイオプリント技術とは

生物学的材料を層状に積み重ねて造形する技術です。
お菓子を作る場合は、生地やチョコレートをバイオプリンターに入れて、指定した形状に沿って層を積み重ねることで、独特な形状のお菓子を作ることができます。

この技術によって、培養肉を作ることも可能です。
肉の成分となる細胞やタンパク質を集めて、それらを層状に重ねて造形することで、肉のようなものを作ることができます

和牛ステーキを3Dプリンターで完全再現!SDGsに貢献する培養肉の進化

2021年には、3Dプリンターで和牛のステーキ肉を作ることに成功したことを発表しました。

大阪大学・島津製作所・シグマクシスが培養肉分野で協業を決定

2022年に大阪大学工学研究科、島津製作所、シグマクシスの3者は、「3Dプリントを応用したテーラーメイド培養肉の自動生産装置の開発」に関する共同研究契約を締結しました。

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海外の動き

日本では、培養肉推進の動きが強いですが、海外での反応はどうなのでしょうか?

シンガポールは認可

シンガポールが培養鶏肉を認可し、商業的に販売する最初の国となりました。
アメリカやEUも培養肉の一般販売に続くかと思われましたが、まだ実現していません。

イタリアは禁止

この動きに反して、イタリアでは培養肉を禁止する法案が支持されました。

イタリア政府、培養肉を禁止する法案を支持 食文化の保護が理由

イタリアの右派政府は29日、培養肉などの合成食品を禁止する法案を支持すると発表した。イタリアの食文化と健康を守るためとしている。

法案が可決された場合、違反者は最大6万ユーロ(約860万円)の罰金を科される可能性がある。

刷新された農業省トップのフランチェスコ・ロロブリジーダ氏は、イタリアの食の伝統の重要性を強調した。

農業ロビー団体はこの動きを歓迎している。一方、培養肉が炭素排出からの環境保護や食の安全性につながるとしている動物愛護団体には打撃となった。

引用元:BBC NEWS JAPAN 2023/3/30

フードテックの技術開発は目覚ましいものがありますが、人類が今まで食べてこなかったものを食することへの違和感はぬぐえません。
できることならば、イタリアのように古来から受け継がれてきた食生活を維持できることに力を注いてもらいたいものです。

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