みりんの見分け方

みりんとは

みりんは、料理に使われる調味料です。
煮物やお吸い物などの味付けに重宝します。
みりんを使うと、食材のにおいを消したり、照りやツヤを出します。
まろやかな上品な甘みが加わり、コクのある旨みが出ます。
また、煮崩れを防ぎます。
そして、みりんは、お酒です。
甘口な高級酒として、飲まれていた歴史があります。
近年では、お屠蘇にみりんを使っていました。
ただし、これは、伝統的な手法で作られた本みりんのことです。
みりん風調味料や、本みりんと表示されていても作り方が違うと味わいが違う物になります。

本みりん-添加物伝統的なみりんの製造

もち米と、米こうじ、焼酎(乙類)を原料に作ります。
蒸したもち米に米麹と本格焼酎を混ぜ合わせて仕込みます。
仕込みをした後、もろみを時間をかけて、糖化させ、熟成させていきます。
もろみを搾るまでの間に、時間と技術によって、みりんが出来上がります。
みりんは、醤油やみそと違い、発酵ではなく糖化させたものです。
伝統的な作り方で作られたみりんは、そのまま飲んでもおいしくいただけます。
リキュールのような、甘いお酒です。

本みりん-工業的なみりんの製造

伝統的な製造方法では時間がかかってしまうため、合理的に製造する方法です。
短期間ででんぷんやたんぱくの利用率を上げるために、加圧蒸煮や高温液化などの処理を施します。また、焼酎は甲類焼酎を使います。そうすることで、醸造・熟成期間はとても短くなり、40日~60日で出来上がります。

みりん風調味料

本みりんとは原料がまったく違い、ぶどう糖果糖液糖や水あめなどの糖類、グルタミン酸、香料を混ぜ合わせて作ります。
アルコール度数は1%未満です。「みりん風調味料」は、酒税の対象になりません。
製造コストもかなり安くできるので、本みりんよりも低価格で流通しています。
本来のみりんとは別物なので、材料のにおいを消したり、煮崩れを防ぐことはできないようです。

発酵調味料

米やトウモロコシをアルコール発酵させ、ぶどう糖や化学調味料、酸味料などで味を調えた物。甘みを強くしたのが、みりんタイプ、日本酒のように調整したのが料理酒です。
アルコール分は14%ですが、塩を入れることで酒税はかかりません。

まとめ

みりんと言っても、色々と違いあります。
食品表示ラベルを見比べてみます。

伝統的みりん 非伝統的みりん みりん風 みりん
発酵調味料
名称 本みりん 本みりん みりん風調味料 発酵調味料
原材料 もち米、米麹、米焼酎
(アルコール分約14%)
もち米、米こうじ、醸造アルコール(12.5度〜13.5度未満 ぶどう糖、米焼酎、米・米麹の発酵調味料、たんぱく加水分解物、(小麦由来)、醸造酢、砂糖、酸味料
(アルコール約1%未満)
みりん風調味料(水あめ、米および米こうじの醸造調味料)(国内製造)、料理酒、砂糖、かつおだし、こんぶだし

同じ本みりんでも、伝統的な物と非伝統的なものとでは、そんなに変わらないように見えますが、醸造アルコールと表示があれば、伝統的な製造方法ではないのではないかなと判断ができます。
みりん風調味料と発酵調味料は、まったく違う物だと考えてよさそうです。
もちろん、値段も、かなり違います。
伝統的な製造方法のみりんは、価格が高くなります。
でも、料理の味は、格段に違います。すぐに食べる分にはあまりわからないかもしれませんが、翌日には、照りがなくなってます。

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