パン業界が、「無添加」、「不使用」の表示自粛

パン業界の原材料表示について

個包装のパンに、「イーストフード不使用」や「乳化剤不使用」、「無添加」の表示を自粛する動きがあるようです。

乳化剤「不使用」の表示自粛へ 日本パン公正取引協議会

 

全国の製パン会社などが加盟する日本パン公正取引協議会は18日、食品添加物の乳化剤やイーストフードについて、「不使用」「無添加」とする表示をやめる自主基準を設けた
実際には加工工程で、酵素などを用いて同様の成分を製品中に生成させているにもかかわらず、不使用や無添加を強調する表示があり、消費者に誤認を与えると指摘されていた。加盟社は現在使用している包装がなくなり次第、順次「不使用」「無添加」表示を自粛する見通し。
(小林未来)

 

「不使用」「無添加」表示自粛に到った経緯があります。

パンの表示見直しか…

 市販されているパンの袋にある「乳化剤は使用しておりません」といった表示について、パン業界内外から不適切だとの声が上がり、政府も是非の検討に乗り出す。何が問題なのか。
「乳化剤不使用」と表示された他社製品から、乳化剤と同じ成分が検出された――。業界大手の山崎製パンが3月、こんな調査結果を公表し、「不適切な表示であり、直ちに取りやめるべきだ」と訴えた。
パンの保水性を高めて長く柔らかさを保ったり、機械による生地の傷を減らしたりするため、同社は乳化剤を製パン工程で使っている。食品表示法に基づき、商品に食品添加物として表示している。
一方、乳化剤をそのまま添加する代わりに、卵黄油や酵素を使って乳化剤と同様の成分を製品中に生成する製法がある。同社が他3社の3製品を科学的に分析したところ、こうした代替技術を使っていると推測できるという。乳化剤を使った場合と品質面で大きな差はないとし、「表示義務を回避する加工方法を採っている」と指摘する。
厚生労働省や消費者庁によると、卵黄油は「食品」扱い。酵素は食品添加物にあたるものの、最終的に商品に残らないかわずかに残っても影響がないため、表示は免除される。実際、「不使用」表示をしているある社は、取材に「法にのっとっている」と説明した。

無添加表示の信ぴょう性

 「乳化剤不使用」と表示されたパンに、実は乳化剤と同じ成分が入っている――。
業界大手の山崎製パンによる他社製品の分析結果が、議論を呼んでいます。添加物表示を見直すための政府の検討会でも、「無添加」「不使用」を強調する表示の是非が論点の一つに。表示はどうあるべきか、検討会の委員でもある識者2人に聞きました。

誤認与える恐れも 消費生活コンサルタントの森田満樹さん
乳化剤と同じ成分が入っているのに「乳化剤不使用」と書くのはおかしい、とする今回の山崎製パンの主張は、よく理解できます。
消費者は、「不使用」と強調されているのに、まさか同じ成分が入っているとは思わないでしょう。誤認を与えるキャッチコピーで商品を売ろうとするのは不誠実に見えます。裏面の法定表示を見れば添加物使用の有無は分かるのだから、こうした表示は不要だと思います。
それに、「不使用」を強調すると、逆に、その添加物に安全面で問題があるかのようなイメージを広げることになりかねません。乳化剤以外の添加物は使っているのに、そこから消費者の目を背けさせることにもなるのではないでしょうか。

日本は、食品表示ラベルの定義が非常にあいまいです。
酸味料など、使った添加物の名前ではなく目的が記載されていればいいという法律です。
イーストフードも、各社で内容物が異なるのですが、「イーストフード」と記載があればいいのです。
EUのようにすべてを表示すれば、このような問題も起こらず、消費者も自分で判断して購入できるわけです。
昔のように、アナログでの管理だと難しいかもしれませんが、これだけIT化が進んでいるのですから、全てを公開するべきだです。
パッケージに表示スペースがないのであれば、QRコードでアクセスして見ることができるようにするべきです。
公開しても消費者には、混乱を与えるだけだという論理は、私たち消費者をとてもバカにしているとしか思えません

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